ActiveReportsJSのV4.1Jには以下の新機能が追加されました。

ダッシュボード

新しいActiveReportsJSでは、ダッシュボードという新しいレポートレイアウトが追加されました。ダッシュボードは、レポートデータをページで表示する他のレポート形式より、スクロール可能なコンテナによって1つのビューで全てのデータを表示し、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。この機能は、レポート設計の柔軟性を向上させ、レポートの構造化とナビゲーションに対するユーザフレンドリーなアプローチを提供します。ダッシュボードを使ったレポートを作成する方法については、「ダッシュボードを使ったレポート」を参照してください。

カスタム関数

レポートの式でカスタム関数を使用することが可能になりました。この機能は、レポート設計の柔軟性を向上し、複雑な計算の管理や、コードの再利用、高度な条件付き書式を容易にする効率的な方法を提供します。この機能を使用するメリットは次のとおりです。

• 複雑な計算：式を使用して、単純な計算から複雑な計算を効率的に行うことができるが、より複雑な計算を必要とするビジネス要件が発生する場合があります。これらのシナリオでは、カスタム関数は式の機能を超えた複雑な数学的操作に対するソリューションを提供します。

• コードの再利用：レポート内の複数の式で同じコードを使用する場合があります。その場合は、カスタム関数を使用して、関数を一度定義し、レポート内の様々な場所から定義した関数を呼び出すことができます。これにより、コードの保守性が向上し、より効率的なレポート設計を実装できます。

• 高度な条件付き書式：式を使用して基本的な条件付き書式を管理することが可能ですが、特定の条件に基づいた動的なスタイルを必要とする複雑なシナリオの場合、カスタム関数を使用できます。

たとえば、売上金額の合計でその数値に応じて書式設定（1K、1Mなど）する場合、次のように関数を定義することができます。

function formatCurrencyValue(value) {
    let currencySymbol = '$';
    if (value >= 1000000000) {
        return currencySymbol + (value / 1000000000).toFixed(1) + 'B';
    } else if (value >= 1000000) {
        return currencySymbol + (value / 1000000).toFixed(1) + 'M';
    } else if (value >= 1000) {
        return currencySymbol + (value / 1000).toFixed(1) + 'K';
    } else {
        return currencySymbol + value.toFixed(1);
    }
}

レポート内で数値を表示するテキストボックスは、次のような式でこの関数を呼び出します。

{Code.formatCurrencyValue(Sum(SalesAmount))}

この機能により、合計額の大きさに基づいた動的な書式設定が可能になり、データの可読性が向上されます。

アプリケーションにカスタム関数を組み込む方法の詳細については、カスタム関数を参照してください。

パラメータ機能の拡充

カスタムパラメータビュー

高度なパラメータを使用して、カスタムパラメータビューを作成する新しい機能が追加されました。日付範囲パラメータ、数値範囲パラメータ、リストパラメータなどの様々なパラメータを使用して、データをより柔軟に制御できます。

レポート内のパラメータを設計して使用する方法、カスタムパラメータビューを作成する方法については、レポートパラメータを参照してください。

カスタムパラメータビューの実装例については、デモを参照してください。

レポートパラメータの日付書式設定機能

DateとDateTimeパラメータの表示形式を設定して、パラメータパネルの日付入力ボックス内のパラメータ値の外観をカスタマイズすることが可能となりました。

チャートの機能拡充

新しいテンプレート

Chartコントロールで使用できるチャート形式（プロットテンプレート）にレンジエリア、レンジ横棒、レンジ縦棒、ゲージの4種類のチャートが追加されました。

レンジエリア

レンジエリアのプロットは、時間などの連続変数にわたる2つの値の間の範囲または差を表示するのに役に立ちます。このチャートは、上限と下限を表す2本の折れ線で構成され、範囲を強調するために折れ線の間の領域が塗りつぶされます。これらのプロットは、信頼区間を含む売上予測値、経時的な温度範囲、株価の変動などのデータを表示するためによく使用されます。

レンジ縦棒とレンジ横棒

レンジ縦棒とレンジ横棒のプロットは、各カテゴリの最小値と最大値の差を縦棒または横棒で表示するのに役に立ちます。このグラフを使用して、温度範囲、価格変動、または2つの値の間の範囲を表示することができます。

ゲージ

ゲージは、ダイヤルチャートやスピードメーターチャートとも呼ばれ、目標値に対して指定された範囲内の単一のデータポイントを視覚化するのに役立ちます。これらのプロットは、進行状況やパフォーマンスを視覚的に表現するのに役立ちます。

凡例のアクション対応

カラー、シェイプ、サイズの凡例に対話的なアクションを指定することが可能になりました。凡例項目をクリックすると、別のレポートに移動したり、動的ブックマークまたはURLに移動したりできます。詳細については、凡例を参照してください。

軸の日付モード対応

軸に日付モードプロパティが新しく追加されたました。日付モードを設定することで日単位・月単位・年単位など軸の基準を変更することができます。

ツールチップとラベルの高度なカスタマイズ

新しく追加されたテキストエンコーディングを使用すると、プロットのラベルとツールチップに対して詳細な構成設定を実装することができます。詳細については、各プロットのツールチップとラベルのカスタマイズを参照してください。

縦棒と横棒プロットのバー線のカスタマイズ

縦棒または横棒の間の接続線の色、幅、スタイルをカスタマイズできるようになりました。詳細については、縦棒と横棒のバーの線プロパティを参照してください。

GroupIndex関数

新しいGroupIndex関数を使用して、グループインスタンスのインデックスを取得できるようになりました。この機能は、実行時にグループする項目のスタイルをカスタマイズする場合に特に役立ちます。この機能を使用して、背景色を交互に設定し、より視覚的に整理された魅力的な表示を実現できます。たとえば、「クイックスタート」デモでは、詳細行のテキストボックスの背景色は式{IIF(GroupIndex() Mod 2 = 0, "White", "#f8f8f8")}によって決定されます。この式は、GroupIndex関数を使用して詳細グループのインデックスを取得し、背景色を白と明るいグレー（#f8f8f8）で切り替えます。詳細グループは、データセット内の一意のフィールドの値（この場合は、StartTime）に設定されます。StartTimeはタクシー乗車ごとに一意であるため、各タクシー乗車を別個のエンティティとして効果的にグループ化します。その結果、レポートをプレビューすると、詳細行の背景色が交互に表示され、各タクシー乗車が色で視覚的に区別されます。