レポートレイアウト
ActiveReportsJSではレポートをデザインするために2つのレポートテンプレートが用意されています。以下のレポートテンプレートから選択できます。
テンプレート名 | 説明 |
|---|---|
ページレポート | ページ単位でレポートをデザインするレポート形式です。そのため、デザイン時のレイアウトは実行時の出力結果と同一になるレポートテンプレートです。 |
RDLレポート | セクションの出力位置やページの用紙サイズといったレイアウト上の制約を意識することなく、自由にレポートコントロールをレイアウトすることができ、データソースのデータに基づいて拡大するレポートテンプレートです。 |
ダッシュボード | 他のレポートテンプレートと異なり印刷という概念は無く、レポートデータをスクロール可能なコンテナによって、1つのビューで全てのデータを表示するレポートテンプレートです。 |
［ファイル］メニューから ［新規作成］ をクリックします。表示される ［新規レポートの作成］ から、必要に応じて ページレポート、 RDLレポート、ダッシュボードを選択します。選択したテンプレートに基づいて空のレポートが作成されます。
レポートは以下のコンテンツで構成されます。
静的コンテンツ： 実行時、デザイン時に指定したサイズの通り表示するコンテンツ。たとえば、レポートタイトルに表示する会社のロゴなど。
動的コンテンツ： バインドされたデータを視覚化し、実行時に垂直方向と水平方向の両方に拡大するコンテンツ。たとえば、Tableコントロールなど。
ページレポートを使用したレポート
ページレポート は、ページ上でデータ領域が必要なスペースを指定し、データを収容するために新しいページが必要な場合にデータ領域を継続する場所を指定します。また、高度なデータ連結機能も備えています。
固定サイズ
ページレポートでは、 ［固定の幅］ および ［固定の高さ］ プロパティが提供され、データ領域が実行時に取得できるサイズを指定できるようにます。
たとえば、商品リストを表示するTableコントロールを含むレポートがあるとします。1行目と2行目は、各ページにレポートタイトル、列ヘッダ、およびページ番号を印刷します。3行目は、レコードごとに繰り返されます。その際、 ［固定の高さ］ プロパティに 「7in」 を設定しています。
最終的には次の画像のようなレポートとなります。すべてのテーブルデータは6つのグループに分割し、各グループの高さが ［固定の高さ］ に設定した高さで、別々のページに出力されます。画像に示したように、定義した領域を埋めるために十分なデータがない場合、空白行が出力されて領域を埋めます。
OverflowPlaceHolder
ページレポート にてデザイン時にページを追加し、 OverflowPlaceHolder コントロールを使用して、データ領域からあふれたデータを表示することができます。たとえば、以下の画像のように設計時に2つのページがあるとします。最初のページでは、請求書ヘッダと注文詳細を含むテーブルが表示されます。テーブルのデータが1ページに収まらない場合、次のページに表示されます。
ページレポートでは、各データ領域にて ［オーバーフローデータ連結先］ プロパティが提供されており、ここで設定した OverflowPlaceHolder コントロールに対してあふれたデータを表示します。
新しいページを追加し、OverflowPlaceHolderを設定する方法
既定では、 OverflowPlaceHolder コントロールのサイズは元になるデータ領域の ［固定の幅］ および ［固定の高さ］ プロパティによって設定されます。このサイズを変更して、1つのグループを他のグループよりも大きくしたり小さくしたりすることができます。 OverflowPlaceHolder コントロールの ［オーバーフローデータ連結先］ プロパティを使用すると、データ領域と複数のOverflowPlaceHolderによってレイアウトチェーンを構築することができます。
データ領域では、グループ間で改ページが発生する場合があります。 ページレポート は、改ページが発生するまでデータ領域を拡大し、チェーン内の次のOverflowPlaceHolderに移動します。
ページレポート固有のレイアウトプロパティ
ページレポートは、RDLレポートに無い以下の固有のレイアウトプロパティがあります。
［余白］ > ［スタイル］： ページ余白に対して定義済みの値を設定します。
［余白］ > ［サイズ］： ページの左、右、上、下の余白を個別に設定します。
［位置とサイズ］ > ［サイズ］： レターやA4などの用紙サイズを設定します。
［位置とサイズ］ > ［印刷の方向］： レポートの内容が表示される印刷方向を設定します。
［位置とサイズ］ > ［幅］／［高さ］： 用紙サイズをカスタムする際に設定します。
空のプレースホルダーを表示しない： 配置したOverflowPlaceHolderコントロールに表示するコンテンツがない場合、レポート出力でページを省略するかどうかを設定します。
表示：静的または動的なページの可視性を設定できます。
ページレポートでのデータの連結
ページレポート を使用して、各マスターレコードごとに詳細データを印刷するマスター詳細レポートを作成できます。たとえば、製品カタログでは、各製品カテゴリ（マスターレコード）にタイトルページとそれに続いて価格表（詳細データ）が表示されます。
この機能は、次のプロパティを使用して実装できます。これらのプロパティは、［エクスプローラ］でレポートを選択するか、デザイン面の周囲にあるグレーの領域をクリックすると、プロパティタブに表示されます。
データ
データセット： データソースより取得したデータセットを設定します。
フィルタ： 特定条件ののデータを除外することが可能です。たとえば、上記の製品カタログは、8つの製品カテゴリのうち2つだけを印刷することができます。その場合、次のようにフィルタを設定します。
グループ
名前： グループの名前です。
式： バインドされたフィールドの参照またはより高度な式のコレクションです。グループ式の個別の値は、マスターレコードを生成します。たとえば、製品カタログには「
{categoryId}」式が設定されています。見出しマップラベル： 見出しマップにリンクされたマスターレコードのテキストを設定します。
フィルタ： 特定のグループを除外する場合に設定します。
RDLレポートを使用したレポート
RDLレポート は、現在のページの最後までデータ領域を拡大してから、新しいページを生成します。たとえば、商品リストを表示するTableコントロールを含むレポートがあるとします。1行目と2行目は、各ページにレポートタイトル、列ヘッダ、およびページ番号を印刷します。3行目は、レコードごとに繰り返されます。
実行時に、テーブル内のデータを収容するために4ページが生成されます。
また、データ領域のグループや詳細行に改ページを設定している場合、RDLレポートは改ページが発生するまでデータ領域を拡大し、その後新しいページを生成します。
同様に、Tablixコントロールを使用する場合、ページにスペースがなくなるか、改ページが発生すると、RDLレポートによって新しいページが生成されます。Tablixは、垂直方向と水平方向の両方に拡張することもできます。レポートの［レイアウト順］プロパティは、Tablixが複数のページにどのように分割されるかを決定します。このプロパティを「横方向」に設定すると、Tablixは最初に水平方向に拡張し、次に垂直方向に拡張します。「縦方向」に設定すると、Tablixは最初に垂直方向に拡張し、次に水平方向に拡張します。デフォルト値は、横方向です。
RDLレポートを使用したレポートには、ページ毎に用紙サイズ、印刷の向き、余白などの設定を個別に持つ複数のレポートエリアを含まれています。たとえば、［複数エリアを持つRDLレポート］デモでは、レポートに2つのレポートエリアが含まれています。最初のレポートエリアは、縦方向に設定したダッシュボードであり、タクシー乗車統計の概要を表示します。2番目のレポートエリアは、横方向に設定したレポートであり、各タクシー乗車に関する詳細な情報をテーブルで表示します。
デザイン時に、新しいレポートエリアを追加し、これらのレポートエリアを切り替えることができます。
実行時にゲラモードにすると、改ページを適用せずにRDLレポートを単一ページで表示できます。ページサイズと余白は無視されますが、改ページは発生します。このモードは印刷できないダッシュボードのようなレポートを確認するのに非常に役立ちます。
ダッシュボードを使用したレポート
ダッシュボードは、レポートデータをページよりエリアに分けて、一つの画面上に表示します。これらのエリアは、レポートビューワで個別のタブに表示されます。各エリアのサイズは設計時には静的ですが、内容に応じてプレビュー時に変更できます。
エリアにはスクロール可能な領域を含めることができます。この領域は、Containerコントロールを使用して作成できます。Containerコントロールの ［オーバーフロー］ プロパティを 「Auto」 に設定すると、動的コンテンツの間に移動できます。
ダッシュボードは、改ページ、印刷、またはPDFへの出力が必要ない分析レポートに使用できます。
また、エリアのdisplayNameプロパティを実行時に評価される式に設定できます。この式は、レポートパラメータまたは現在の日時などのグローバル値を参照できます。この機能は動的な命名をサポートし、レポートの柔軟性をさらに高めます。
ダッシュボードを使ったレポートを作成する方法については、「ダッシュボード」を参照してください。